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【1/4】自然治癒力とは?― 回復力と「温活」の基本

  • 執筆者の写真: 小林 H
    小林 H
  • 10月31日
  • 読了時間: 5分

こんにちは。美健家です。


私たちの体は、風邪を引いても自然に治る、傷がいつの間にかふさがる――本来「自分で自分を治す力=自然治癒力」が備わっています。


しかし現代では、この力を十分に発揮できないまま、薬や医療に頼る生活が当たり前になっています。この言葉を言われるとドキッとした方も少なくないのではないでしょうか?


今回のブログを見ていただければ、治癒力を高めてくれる温活の重要性を再認識いただけると思います。 ※この記事は、川嶋朗氏の「60歳から体温を0.5℃アップする健康法」の内容を参考に構成しています。ただし、記事中の表現や見解は、美健家の視点によるものであり、必ずしも原著の意図を完全に反映したものではないことをご了承ください。



■ 医師が治すのではなく、自分の体が治す


著者・川嶋朗氏は、病気の本質を「医師が治すものではなく、患者自身が治すもの」と述べています。

つまり、医療行為は「自然治癒力が働く環境を整えるサポート」に過ぎないという考え方です。

実際、人体はつねに修復と再生を繰り返す「生きたシステム」であり、細胞レベルで見ても絶えず古いものが壊れ、新しいものが生まれ続けています。

それにもかかわらず、現代社会では多くの人が「自分の体を信じる力」を失っています。ちょっとした不調ですぐに薬に頼り、体の声を聞くことを忘れてしまう。その背景には、「医学=万能」という無意識の思い込みがあります。



■ アンジェリーナ・ジョリーの事例に見る「恐れ」と「過信」


現代社会において「自分の体を信じる力」が失われている象徴する一つの事例として、著者は女優アンジェリーナ・ジョリー氏の「予防的乳房切除手術」を挙げています。


彼女は遺伝的に「がん抑制遺伝子」に異常を持ち、乳がんや卵巣がんの発症リスクが一般より60倍も高いとされていました。そのため、がんが発症する前に両乳房を切除し、後に卵巣も摘出しました。


この決断は世界的に注目を集め、多くの人が「遺伝子検査による予防医療」に関心を持つきっかけとなりました。しかし著者は、ここに大きな誤解があると指摘します。


なぜなら、「遺伝的リスク=必ず発症」ではないからです。


がんは、誰の体にも存在する細胞の“ミスコピー”から生まれますが、通常は体に備わる遺伝子修復酵素や免疫機構がそれを修復・排除しています


つまり、自然治癒力が十分に働いていれば発症を防ぐことができるのです。


臓器を切除することが唯一の対処法ではなく、本来の治癒力を信じ、引き出す方法こそが重要であると本書はしています。



■ 西洋医学と自然治癒のバランス


著者は、西洋医学そのものを否定しているわけではありません。

むしろ、救急医療や外科手術といった「急を要する治療」において、西洋医学の優秀さを高く評価しています。


一方で問題なのは、慢性的な不調や生活習慣病までも薬と手術で完結させようとする現代人の姿勢です。


たとえば高血圧や頭痛の薬を飲み続けると、一時的には症状が和らぎますが、原因そのもの――冷え、ストレス、代謝低下――は改善しません。


「温活」という考え方は、まさにこの慢性不調に対する“自己回復型の医療”の実践です



■ 自然治癒力を高めるカギは「温めること」


体を温めると、血流が良くなり、細胞の働きが活性化します。血液は体中に酸素と栄養を届け、老廃物を運び出す「生命の運び屋」です。


冷えによって血流が滞ると、必要なエネルギーが届かず、細胞修復のスピードも落ちます。逆に、体温が1℃上がるだけで免疫力が約30%上昇するともいわれています


つまり「温めること」は単なるリラクゼーションではなく、生体の回復システムを起動させる行為なのです。


美健家の現場でも、陶板浴によって長年の冷えや疲労が軽減し、「体が軽くなった」「眠りが深くなった」といった声を多くいただきます。これらはまさに、温熱刺激が自然治癒力を呼び覚ます具体例といえるでしょう。



■ 「歳だから仕方ない」を手放すとき


著者は、「もう自分は歳だから」と口にする人ほど、自らの治癒力を閉ざしていると警告します。

たとえ60歳を過ぎても、血流を良くし、体を温める習慣を持てば、老化のスピードを緩やかにすることは可能です。

人間の体は年齢で限界を決めてはいません。

むしろ、年齢を重ねたからこそ得られる「体の感覚」を頼りに、穏やかに温めていくことが大切なのです



■ 「自分を信じる温度」を取り戻す


病気や不調を恐れるあまり、過剰な治療や検査に走る現代社会。

けれども本当に必要なのは、「自分の体には治る力がある」という確信です。


温めるという行為は、単なる体温上昇ではなく自分を信じる温度を取り戻すことでもあります。


次回は、「冷え」がどのように体の機能を奪っていくのか――血流・代謝・酵素・免疫のメカニズムを、科学的な視点から要点をまとめてみます。【毎週水曜日更新】




■ 今回の記事を書く為に参考にした本


本 60歳から体温を0.5度アップする健康法

著者:川嶋 朗

医学博士。神奈川歯科大学大学院統合医療教育センター長、他多数兼任...。

西洋医学と東洋医学を融合した統合医療の実践に尽力。「冷えは万病のもと」の考えを広め、多数の著書を通じて温活や自然治癒力の重要性を発信されている先生です。特に「患者力のすすめ」はおすすめです。








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